72日目:ギブリバー ~ ホームバレーステーション(農場)72km(計13,672km)
午前中に再度修理を試みると、エンジンがかかり2気筒のうち1気筒は少し動くようになりました。その時キャンピングカーを引いた老夫婦が後方からやってきました。ここでどうしようかなと考えました。一番近い町はウィンダムかカナナラですので、人間だけ戻りトラックなどでバイクを取りに来る方法がベストかなと決めました。したがってキャンピングカーの老夫婦にはサンキュー、ノープロブレムと言って別れました。水、食料は節約すれば5~7日分はありましたので、前方から来る車を待って来た道を戻ろうと長期戦覚悟で待っていました。
時間を持て余していたので、バッグを糸で修理していたら、お昼ごろに凄い爆音が聞こえてきました。普通の車の音ではありません。なんとブルドーザーを載せたトレーラーと燃料(ドラム缶)だけを載せたトラックの2台の音でした。乗っていたオージーのマーブとアンディに事情を話すと、彼らは道路工事が終わりカナナラへ戻っているので、サポートしていいよと言ってくれました。走れるところまでまずはゆっくりとその大きなトレーラーの前方を走りましたが、登りは足を使って蹴りながら進むほどにゆっくりと進みました、しかし結局は約72kmほど進んだところでエンジンがストップし、動けなくなってしまいました。彼らはバイクごとヒッチハイクでいこうと言ってくれ、大きなトレーラーにバイクを引き上げてくれました。バイクはブルドーザーの後ろに載せて、私はブルドーザーの運転席に乗り、時々バイクが落ちないように見ているという作戦です。二階建てバスのオープン仕様くらいの高さに乗るという、めったに出来ない経験が出来ました。大変な状況でしたが、何かピクニックに行くような楽しい心境で乗っていると面白い表示を発見しました。ブルドーザーのギアチェンジの表示がウサギとかめになっているのです!遊び心がある二人と出会って良かったなあと思っていると、なにか見たことのあるブリキの看板が見えてきました。そうです昨日通って写真を撮ったホームバレーステーションへの看板です。日暮れが近づいてきたので、この農場に泊まって明日カナナラへ戻るということになりました。なんと1泊2日のヒッチハイクになってしまいました。
農場の母屋にはテーブルとベッド、そして大きな冷蔵庫がありました。その冷蔵庫には凄い数の缶詰が入っていて、彼らはその中から今晩のおかずにするものを5,6個取り出しました。そして、持ってきていた違う種類の缶詰をその冷蔵庫へと補充したのです。何か助け合って生きていく彼らの工夫を見て感動した瞬間でした。ここにはちゃんとシャワーがあり生き返ってから夕食を頂きました。食後の紅茶を飲みながら満点の星空を見ているとこの2日間の出来事を思い返してしまいました。彼らは1匹の犬も連れていましたが、名前はなんとギビー、この700kmの未舗装道路ギブリバーロードから名前を付けていたのです。私はこの夜はトレーラーの荷台の上で星を見ながら寝ることにしました。長い一日が終わりました。
今日の宿泊地:西オーストラリア 農場ホームバレーステーション 野宿40+④
今日の出費:なし
出費の合計:823.27ドル(197,585円)
トレーラー走行中!
この看板です↓↓↓↓
左からアンディ、ギビー、私、マーブ